東京ふたり暮らし どうしても忘れられない幻のワンルーム

Feb 07, 2020

私にとって、どうしても忘れられない空間がある。目を閉じるといつでも鮮明に思い出すことができる。それほどに印象深い空間だった。

それは、彼と東京で暮らしていた頃に住んでいた、東中野のマンション。

結婚して、引越しをして
ふたりで家具をイチから揃えた空間だった。

「一生大切にできる家具にしよう!」
そう決めて、TRUCK furniture の家具をベースに空間を作る事にした。
オーダーしてから、職人さんの手でひとつひとつ作成される家具は丁寧に作られ、長くガシガシ使っても味になるのではないか?という事でチョイスした。

テレビ台や調理台はヴィンテージ、ブラインドカーテンはnanikで揃え、少しずつ植物やインテリアを買い足していた。

私たちが群馬県に移住をしたのは、この家具が届いてちょうど一年後のこと。

ワンルームで2人暮らし、だけれど
とっておきの1部屋だった。
1部屋だったからこそ、ふたりの好きなものを
詰め込むことができた。

移住が決まって
この部屋との別れがほんとうに辛かった。
引越しの準備がなかなか進まない。

この部屋を解体する前に
いつもよくしてくれる、カメラマンのkensukehosoyaさんにありのままの部屋と私たちを撮り残して欲しいとおねがいをした。
彼は、快く引き受けてくれた。

晴れの日も、雨の日も、疲れて倒れてしまいそうな日も
人生でいちばん幸せな言葉をもらったのも
この部屋だった。
家具だけではなく、思い出もたくさん詰まったこの部屋出る時
ブラインドのかかっていない窓からは
雲ひとつ無い青空が見送ってくれた。

大切にしたい記憶は、写真に残しておきたい。
この写真たちは、記憶を鮮明にする大切な鍵となっているに違いない。

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