休日の朝は、目覚ましがなくても目がさめるのは私だけだろうか。
この日も深夜に就寝した割に7時ごろしっかりと目が覚めた。
カラッと晴れたニースの朝は、どこからか「ようこそ!」と聞こえてきそうなくらい爽やかで、いまならなんでもできそうな気がした。
昨日の夜寝ぼけ眼で予習をしたニースの街。
旧市街にあるサレヤ市場で行われる骨董市ブロカント市場にいくことに。
月曜日の午前中はアンティーク・ブロカント市、火曜日〜日曜日の午前中は花市と青果市場が立ち、地元住民も観光客も多くの人でいつも賑わっているらしい。
今日は日曜日。
まずはホテルを出て近くを散歩しつつ、朝ごはんを食べることになった。
街はまだとても静かだった。
道脇にはたくさんの車が止まっていて、駐車場のようなものは見当たらない。
ぎっしりと建物が建っている。
なのにどこか洗練されているのが不思議。
歩いていると、美味しそうなパンの匂い。
吸い込まれるように店に入った。
目移りしてしまうほど、どのパンも美味しそう。
オープンテラスにもたくさんの人が。
爽やかな風を感じながらゆったりとした時間を過ごしていた。
トマトがたっぷり入ったパンを2種類。
主人はブラックコーヒーを私は100%フレッシュオレンジジュースを。
このパンが本当に美味しかった。
とっても大正解。
小腹が空いた時には何度でも立ち寄りたい感じのベーカリーだった。
Le comptoir des painsPain Niçois
33 Avenue de la République, 06300 Nice, フランス
腹ごしらえをしてお店をあとにすると、街には少し人が増えていた。
ホテル周辺から海の方まで路線バスでの移動もできたのだが、
その土地の雰囲気や位置関係を把握するには散歩が一番。
それにしても少し距離があった。
少し歩いていくとPlace Garibaldi(プレイス・ガリバルディ)という広場にたどり着いた。
この付近には近代美術館や高級ブティックなども立ち並んでいて
なんだかとっても雰囲気が良かった。
さらに進んでいくと、カモメが現れて、
徐々に海に近くなっているのがわかった。
オープンカフェがいたるところにあって、どのお店もすごくいいムード。
カラフル過ぎず、大人たちがバカンスを楽しんでいるような雰囲気である。
細い道を抜けるとそこにはすでに朝市のテントがずらっと並んでいた。
どうやら今日は、植物や食材が並ぶ市のようだ。
お花の香りがふわっとしたと思えば、色とりどりのドライフルーツにジャム。
真っ赤なトマトに、ムチムチとしたオリーブ。
全部真空パックにして日本に持って帰りたくなってしまう。
思わず我々も立ち止まって見いってしまった。
料理好きな主人も目の輝きが変わった。
美味しそうなフルーツに目を奪われる。
「お嬢ちゃん、これなんかオススメだよ!」と声をかけてくれるお兄さん。
買いたい。買いたい。
「これからビーチに行くの」と言うと笑顔で見送ってくれた。
フランスの食材を見ていると思わずワインが飲みたくなる。
袋いっぱいに買って、大皿にドサッと盛りたい気分。
それを仲間同士でつっつけばそれだけで楽しいパーティーが開けそうだ。
市場から一本抜けると海が見える。
吸い込まれてしまいそうなくらいに綺麗な青が見える。
少々お疲れ顔だった主人も笑顔。
ニースの海を眺めている人々がみんな幸せそうで、どこか浮き足立っているように見えた。
この街でセカセカとしている人は見かけない。
みんなのんびりと優雅に海を眺めている。
海辺の街並みもすごく美しかった。
街並みと海をニース城の方から見わたすことに。
少し急な道も綺麗な景色を眺めながらだとあっという間。
階段を登っていくとあっと息をのんでしまう宝物のような景色が。
しばらく風に当たりながら、この景色を見つめた。
空が高くて、海がどこまでも続いていて、何も考えずその光景を眺めていられるだけで十分すぎるほど今回の旅の価値を感じられた。
そうこうしているうちに、お腹が減ってきた。
登ってきた道を少しくだり、さらに奥へと歩いて
先輩に教えてもらったレストランへ向かうことにした。
雑誌にも掲載されていて、とても美しい場所のようなので胸が弾む。
道ゆく家族が写真を撮ってくれた。
美しい景色と気持ちの良い風にどこか浄化されている感じがする。
歩くこと30分。
朝の涼しい風から、昼間の日差しが降り注ぐ地中海の暑さに変化して行き
少しバテ気味。
山沿いの道を歩いていくと、カラフルな建物とヨットハーバーのような場所が見えてきた。
船の上ではたくさんの人がご飯やお酒を楽しんでいる。
ズラッと並ぶ船は、ここで住めちゃうんじゃないの?と思うほどにリッチなつくり。
カッコイイデザインからクラシカルな雰囲気のものまでいろんな形があった。
この建物を超えた向こう側にお目当のレストランがあるらしい。
空腹でかなり体力が消耗したが、そんなことよりもとにかく海が青くて美しくて
ゆっくりと散歩をしながら向かった。
海沿いを歩き始めて約1時間。レストランが見えてきた。
海辺のレストラン。ロケーション、建築、全てを含めこんなに美しいレストランは初めて見た。
しばらく私たちはレストランの外観を眺めては撮影をした。
かつては飛び込み台だったことからお店の名前は「Le Plongeoir(ル・プロンジョワー)」飛び込み台という意味らしい。屋根の上に階段がかかっている部分がそれなのだと思う。
早速、お店に入店できるか確認をしてみたところ、予約なしで入ることができた。これは後から知ったことだが、かなりの人気店なので予約は必須のようだ。
「片ずけるから少し待ってて!」と言うウエイターはまるで俳優のように美しかった。通された席からは、ちょうど飛び込み台側の席が見えた。
ストローで飲んだからか、暑さのせいなのか
可愛らしいお酒は一瞬にして全身にまわる感じがした。
お食事も、お酒も、ロケーションも全て素晴らしかったが、
一番感激したのは、オーナーがテーブルに挨拶に来てくれること。
気さくで、気品のある男性オーナーだった。
なんでも日本に息子さんがいらっしゃるとかで、少しだけ日本語も披露してくれた。
お店を出た後も外観を撮影したくなるようなお店だった。
Le Plongeoir(ル・プロンジョワー)
60 boulevard Franck Pilatte – 06300 Nice
トリップアドバイザーさんでの評価はこちらから。
私たちは、再度ニースの旧市街方面に向かうことに。
お店から2分ほどのところに小さなビーチを見つけた。
あまりにも気持ちよさそうで、「時間があれば私たちもビーチに行こう!」ということになった。
計画を立てすぎず、気ままに・したいように時間を過ごすのが私たちの旅の過ごし方だ。
それにしてもニースには、陽気な犬がたくさんいた。
紐につながれず、だけれど何かを目指すようにまっすぐと進んでいく。
暴れたり、噛み付いたりせず、人に目もくれずに進んでいく。
まるで人間のようでクスリと笑ってしまった。
ニースの旧市街でどうしても行ってみたいお店がひとつだけあった。
CABANE(キャバンヌ)というインテリアショップ。
店内には籠や、リネン素材のブランケット、衣類なども販売していた。
シンプルでとてもセンスのいいショップだった。
海外でこういったセンスフルなものを見ても
買い物をするのがどうも下手で、帰国してから手元に残るお土産は人ものもばかり。
自分のお土産も買っておくか!とバターナイフを2本購入。
肩掛けのバッグに納まってしまう小さなお土産だけれど今も大切に使用している。
買い物を終え、ニースのビーチで少しゆっくりすることに。
あまりの気持ち良さに、ひと眠り。
顔の部分だけが日に当たっていたせいか、前髪の部分を除く顔面が焼けてしまった。笑
あっという間に時間は過ぎてしまった。
何もせずにビーチでお酒を飲みながらゆっくりする。
こんなに贅沢な時間があるだろうか。
いろんなところを巡る旅もいいけれど
ゆったりと自然を楽しむ旅が一番好きなのだと思う。
帰り道に見つけた、アイスクリーム屋さんでフレッシュなジェラートを食べて
ニースの1日は終了。
あっという間にフランスに来て2日が経ってしまった。
3日目は、ニースからカンヌへ移動。
朝はもう少しだけニースを楽しむ予定。
主人によると評価の高い美味しそうなパン屋さんを見つけたとのこと。
楽しみだな。
南仏コートダジュールで過ごすサマーバケーション Vol.3カンヌ編〜へ続く。